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埋もれた年金を取り戻す取り組みがテレビで放映されました。

NHK「ひめポン!」2025年7月1日放送 戦後80年 “戦時中の年金” 知っていますか?

2025年07月28日

戦後80年 “戦時中の年金” 知っていますか?

みなさん、太平洋戦争中に、年金制度があったことをご存じですか?
厚生年金のきっかけとなった、「労働者年金保険法」が実施されたのは1942年。
民間の軍需工場などで働く労働者を確保するため、働けば年金をもらえるという、いわば”あめ玉”で誘う政策でした。また、積み立てられた保険料を軍事費に借用する狙いもあったとされています。
この年金、加入の事実を知らず、受給につながっていない人が少なくありません。
本人が亡くなっても遺族が請求できる場合もあるということで、気をつけるポイントをご紹介します。
(NHK松山放送局 三上 峻)

ポイント① 日本年金機構から届く手紙に注意!

現在の公的年金制度では、国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金」と、会社員や公務員が加入する「厚生年金」があります。
県内在住の高橋早苗さん(仮名・74歳)。
亡くなった父が戦時中に加入していた厚生年金の記録が見つかり、本来受け取ることのできた年金約1000万円が支給されました。
見つかったきっかけは、父の死後に日本年金機構から届いた手紙。
父のものと思われる記録が見つかったという内容です。
高橋さんは父に代わって年金を請求しようとしましたが、請求時に申告しなくてはならない父の当時の勤務先について、「プレス工場」としか聞いておらず、会社名まで知りませんでした。
そこで、社会保険労務士の柴田友都さんに調査を依頼し、会社名を突き止めました。
こうしたもらい忘れが起きた要因は国による年金記録のずさんな管理です。
18年前、持ち主のわからない記録が約5000万件あることが明らかになりました。
国は記録と持ち主を結びつける作業を進めてきましたが、今も3割近くが誰のものかわからないままです。

ポイント② 軍直属の工場や病院などで働いた人は注意!

さらに取材を進めると、約5000万件の持ち主不明の記録とは別に、戦時中の埋もれた年金の存在があることもわかってきました。戦時中に軍直属の工場や病院で働いていたいわゆる「軍属」(旧陸海軍・朝鮮総督府の一部・台湾総督府の一部)の人の年金記録です。
軍属の人にも「旧令共済組合」という年金制度があり、終戦時の加入者は約144万人。
戦時中のみ加入された特別な年金のため、知らない人も少なくないといいます。
社会保険労務士 柴田友都(しばた・ゆういち)さん
「広島の呉海軍工廠や大阪の造兵廠へ、四国から行って働いていた人が多く、当時年金への加入の事実すら知らされていないこともあるので、確認してほしい」

ポイント③ チェックシートに該当する人は注意!

柴田さんが作成したチェックシートです。
該当する方は年金の記録を改めて確認してみてください。

取材を終えて

年金記録問題が発覚してから18年がたった今も、持ち主不明の記録が多く残っていますが、国民からの請求がない限り、解明が進まないのが実態です。過去の年金の請求には、本人の記憶に頼るところが大きいため、年月が経過するほど請求が難しくなってしまうと感じました。私たちひとりひとりが自分の年金の記録をきちんと確認することはもちろん、国にも誠意ある対応が求められています。

※この特集は、7月1日(火)「ひめポン!」で放送されました。

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